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初めて東北の景色を見たのは、震災から3か月過ぎた6月の終わりでした。歌手、ピアニスト、写真家の3名で東京から車を走らせ、宮城県石巻市に向かい、津波の被害の大きい門脇地区に着きました。そこにはかつで街があったとは思えないような、瓦礫に覆われた荒野が広がっていました。

 

当時、被災地の状況は、東京でも幾度となくニュースやインターネットで見ていましたが、実際その景色を自分の眼で見た時、言葉に出来ない大きな衝撃を受けました。

 

東北で出会う方々の中には、家を全て津波で流された方、大切な家族を亡くされた方がたくさんいらっしゃいました。市役所や、公民館、様々な避難所を周る中、僕らに出来る事は、無我夢中で、誠心誠意、音楽に想いを込める事でした。以来、毎年東北に足を運び、音楽を通じて出来限りの支援活動を続けています。

 

復興に向かい変化を続ける被災地に対して、この先どのような支援が出来るのか、その都度模索する必要がありますが、2011年の記憶をしっかりと胸に留めて、東北の未来が明るく輝くような音楽を、これからも届けていきたいと思っています。

 

最後になりますが、2011年よりプロジェクトを共にしてくれている仲間達、チャリティコンサートやイベントでご協力下さる企業の皆様、そしてご縁を頂き、東北に行く度に、温かく迎えて下さる被災地の皆様に、心より感謝を申し上げます。

 

 


 

東日本大震災復興支援プロジェクト
声楽家・小栗慎介 2016年3月11日

 

「震災の記憶」

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